【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#24 谷道夫(デューク・エイセス)の言葉

仲村瞳の歌謡界偉人名言集

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

明日に余力は残さない

『サンデー毎日 2017年12月3日号』(毎日新聞出版)より

※平成29年12月末に、62年の活動を終えるデューク・エイセス。結成時からの唯一のメンバーで、リーダーの谷道夫がモットーとする言葉。解散を惜しむ声が多い中、62年走り続けた谷だからこその、清々しさも感じられる一言である。このインタビューで谷は、「デュークのサウンドを維持していられる今が潮時」とも語り、情熱あふれるコーラス人生や、解散への思いなども明かしている。

谷道夫(たにみちお) 
昭和9年生まれ、宮崎県宮崎市出身。「にほんのうたシリーズ」(昭和40年〜昭和45年/東芝音楽工業)でおなじみ、国民的コーラスグループ、デューク・エイセスのバリトン担当。少年時代、電柱のスピーカーから流れるアメリカのポピュラー音楽やジャズに影響を受ける。宮崎大学を中退して上京。音楽の道へと進む。デューク・エイセスには昭和30年の結成当時から参加し、昭和35年にリーダーとなる。現在83歳。愛称はミーチャン。市販の譜面は使わず、メンバー4人の声質に合うアレンジを書き続け、レパートリー1500曲中の約半数を編曲している。デュークのハーモニーを性格づけた人物。

仲村 瞳(なかむらひとみ)
仲村瞳(なかむらひとみ)
編集者・ライター。2003年、『週刊SPA!』(扶桑社)でライターデビュー後、『TOKYO1週間』(講談社)、『Hot-Dog PRESS』(講談社)などの情報誌で雑誌制作に従事する。2009年、『のせすぎ! 中野ブロードウェイ』(辰巳出版)の制作をきっかけに中野ブロードウェイ研究家として活動を開始。ゾンビ漫画『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ~童貞SOS~』(著・すぎむらしんいち/講談社)の単行本巻末記事を担当。2012年から絵馬研究本『えまにあん』(自主制作)を発行し、絵馬研究家としても活動を続ける。2014年にライフワークでもある昭和歌謡研究をテーマとした『昭和歌謡文化継承委員会』を発足し会長として活動中。