【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#29 ミュージシャン・かまやつひろしの言葉

仲村瞳の歌謡界偉人名言集

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

たばこ1本にも夢がある

『人生は愉快じゃないか 我が良き友よ』(KKベストセラーズ/著・かまやつひろし)より

※1975年に発売された、かまやつひろしの大ヒットシングル『我が良き友よ』のB面に、「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」という名曲がある。自身も、実際にゴロワーズ(フランス産たばこ)を愛煙していたという。この著書では、「ぼくがゴロワーズを吸っているとき、ぼくのこころは日本にはいない。シャンゼリーゼで、モンマルトルで、そして、カルチェ・ラタンで、アラン・ドロンになったり、ジャン・ギャバンになったり、ときにはジャン・ポール・サルトルになったりしている」と語っている。1本のたばこでも、自由な空想の世界へと行ける人間でありたい。

かまやつひろし
1939年、東京都出身。青山学院高等部在学中にカントリー&ウェスタン歌手としてデビュー。1963年にザ・スパイダースに加入(ボーカル&リズムギター)。「あの時君は若かった」、「バン・バン・バン」、「フリフリ」などを作曲し、次々とヒットを飛ばす。当時のGSブームを牽引した立役者である。ザ・スパイダース解散後、1970年よりソロ活動を開始。原点回帰ともいえるカントリーミュージック調の「どうにかなるさ」のシングル発表を皮切りに、吉田拓郎から提供された「シンシア」や「我が良き友よ」などヒットを連発する。近年、カバーするアーティストも多い、テレビアニメ『はじめ人間ギャートルズ』(1974年~1975年/TBS系列)の主題歌「やつらの足音のバラード」の作曲も担当している。2017年3月1日に、膵癌のため、78歳で死去。