2022年5月2日
作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。
『レコード・コレクターズ2014年3月号』(ミュージックマガジン)掲載「奥村チヨインタヴュー」より
※2018年1月6日に、今年いっぱいで引退を発表した奥村チヨ。彼女の代表曲のひとつである「終着駅」(1971年)についてファンのひとりから「あの歌で命を救われた」と言われ、その影響力の凄さを感じたという。そういった声を聞き、歌手として心に誓った言葉である。
奥村チヨ(おくむらちよ)
1947年、千葉県野田市出身。1965年、「あなたがいなくても」でデビュー。その小悪魔的な魅力から和製シルヴィ・ヴァルタンと評される。妖艶で甘えたような歌声で多くのファンを惹きつけたちまち大スターの仲間入りとなった。同時期にデビューとなった黛ジュン、小川知子とともに東芝3人娘として売り出され、次々とヒットを飛ばす。とくに、作詞家・なかにし礼と作曲家・鈴木邦彦のコンビによる“恋3部作”、「恋の奴隷」(1969年)「恋泥棒」(1969年)「恋狂い」(1970年)によって不動の地位を確立した。夫は、作曲家の浜圭介。女優の麻生祐未は姪にあたる。