カルト歌謡カルタ【た】梅宮辰夫‬「ダイナマイト・ロック」

カルト歌謡カルタ【た】梅宮辰夫‬「ダイナマイト・ロック」

いつまでも人々の心の片隅に残り続ける珍曲や迷曲たち。売れることを考えて作られたとは思えない破天荒な作品に、その時代の心の豊かさと歌謡界の度量の大きさを感じる。いまこそ、その真髄を継承すべく、魔法のカルタで拡散!

「ダイナマイト・ロック」

1970年発表
歌:‪梅宮辰夫‬
作詞:志賀大介
作曲・編曲:島豊

「手前生国と発します所東京です。姓は梅宮、名は辰夫。縁持ちましたる渡世は番長です」と口上を述べてから、「♪俺は乾いた暴れ者 チョッカイ出すなよ ブッ飛ぶぜ」と、ロックで硬派な歌詞が続く。「ダイナマイト・ロック」は、梅宮辰夫(当時32歳)が1970年に発表した9作目のシングル曲。梅宮辰夫主演で1968年から始まった東映映画『不良番長』シリーズの第10作目『不良番長 口から出まかせ』(1970年公開/製作・配給:東映)の挿入歌である。

梅宮辰夫を中心に、下ネタを連発する山城新伍、ピンチの時に登場する菅原文太、他に谷隼人や安岡力也とキャストが豪華…というか濃い。そんな『不良番長』シリーズは、1972年まで続き全16作品になる。作曲を担当した島豊は、不良番長シリーズの「番長シャロック」(作詞:大町志郎)や「番長ブルース」(作詞:もず唱平)、若山富三郎の極道シリーズの曲などを手掛けている。
作詞家・志賀大介は、北島三郎、大川栄策、鳥羽一郎など主に演歌歌手の作詞を行なっている。ロックの楽曲の作詞は珍しく、さらに同じ年の1970年に「シンボル・ロック」(作曲:藤本卓也 歌:梅宮辰夫/映画『夜遊びの帝王』主題歌)を手掛けている。シンボル様々、シンボルでのし上がるという男のシンボルを強調した歌詞。「ダイナマイト・ロック」と並ぶ、梅宮辰夫ロックのまさに双璧である。

男の浪漫……つい口ずさむ。
「♪ダイナマイト ダイナマイト ダイナマイトロックだぜぇ〜」

解説・イラスト:はらめがね