カルト歌謡カルタ【ね】内田あかり‬‬「ねどこ」

カルト歌謡カルタ【ね】内田あかり‬‬「ねどこ」

いつまでも人々の心の片隅に残り続ける珍曲や迷曲たち。売れることを考えて作られたとは思えない破天荒な作品に、その時代の心の豊かさと歌謡界の度量の大きさを感じる。いまこそ、その真髄を継承すべく、魔法のカルタで拡散!

「ねどこ」

1976年発表
歌:‪‪内田あかり‬‬
作詞:楳図かずお
作曲・編曲:川口真

内田あかりの‬6枚目のシングル曲。内田は代表作に、映画化され主演も務めた「浮世絵の街」(1973年/デビュー曲/作詞:‪石坂まさを‬ 作曲・編曲:川口真)や、1989年に第31回日本レコード大賞作詞賞を受賞した「好色一代女」(1989年/作詞:吉岡治 作曲:‪三木たかし‬ 編曲:石倉重信)などがある。‬

作詞は、“ホラー漫画の神様”と呼ばれる漫画家・楳図かずお。漫画以外は歌うことが習慣と言い、作詞・作曲活動も精力的に行なっている。“グワシ!”のギャグが社会現象になった『まことちゃん』(週刊少年サンデーで1976~1981年・1988~1989年に連載)は、楳図漫画の代表作。1980年にアニメ映画化され、主題歌「パパ&ママROCK」、エンディング曲「サンバ・デ・まことちゃん」は、作詞・作曲・歌唱を自身で行なっている(両曲共、編曲:川上了)。その他、1976年の「寒い夜明け」(歌:‪‪郷ひろみ‬‬ 作曲・編曲:‪‪筒美京平‬‬)や、1979年の「ああ、レディハリケーン」(歌:近田春夫&‪‪BEEF‬‬ 作曲:近田春夫 編曲:矢野誠)など、歌謡曲の作詞も担当している。

「ねどこ」の編曲は、作曲・編曲家の川口真。1966年の「二人の銀座」(歌:和泉雅子&山内賢 作詞:永六輔 作曲:ザ・ベンチャーズ )で編曲を担当、1970年の「真夏のあらし」(歌:‪‪西郷輝彦‬‬ 作詞:阿久悠 作曲・編曲:川口真)で第12回日本レコード大賞作曲賞を受賞している。

「♪部屋の中には ねどこが一つ いやね 私って多情な女 優しくされるとすぐその気になっちゃうんだから」。女の彼に対する気持ちの葛藤や諦めが見事に表現された傑作である。

解説・イラスト:はらめがね