【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#37 ロックンローラー・内田裕也の言葉

仲村瞳の歌謡界偉人名言集

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

センスッてのは、たとえ100円しかなくても、自分のやりたいように生きていくことなんだよ

『俺はロッキンローラー』(廣済堂文庫/著・内田裕也)より

※この本の第2章『Ⅱ レディス・アンド・ジェントルメン ロックンロールについて語ろう』に書かれていた言葉である。ここで言うセンスというのは、ロックンローラー的センスのことだと思っていい。それが具体的にどういうことかというと、内田は「俺は、いくら金がなくなっても、Rothmansのタバコだけは吸いたいね。それが、ほんとのHipだと思う」と説明している。この名言から、「食うためにスタジオをやるより、まだオンナに食わせてもらっているほうが俺はイイと思っている」、「シコシコやりますなんてヤツに限ってニセモノなんだ」など、内田のピュアなロックンロール哲学へと導かれていく。

内田裕也(うちだゆうや)
1939年生まれ、兵庫県西宮市出身。1959年、日劇ウエスタンカーニバルにてデビューし、その後、様々なバンドを渡り歩く。映画『素晴らしい悪女』(監督:恩地日出夫)に、役者として初出演。1967年、グループ・サウンズ・バンド「内田裕也とザ・フラワーズ」を結成。1970年には、日本のロック史を語る上で欠かすことのできない伝説的なバンドであるフラワー・トラベリン・バンドをプロデュースする。一般には、永遠のロックンローラーとしての、プレーヤーという印象が強いが、名プロデューサーとして数々の足跡を残している。例えば、ザ・タイガースをスカウトし、矢沢永吉が大スターになることを予見、多くのロックコンサートを日本各地や各国で主催していることでも、その能力の高さがわかる。1970年代後半からは映画俳優としても活躍。現在、78歳の現役ロックンローラーである。