【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#44 作曲家・小林亜星の言葉

仲村瞳の歌謡界偉人名言集

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

人間、自分の好きなことをやったほうがいいと思う。ダメでも好きなことをやったほうが、成功率が高いね

『第64回 中山秀征の語り合いたい人/インタビュー』(web女性自身 2016年7月16日)より

※このインタビューでは、多くのヒット曲を生み出し続ける小林亜星に、中山秀征がヒットの法則を尋ねている。その回答のひとつが今回の言葉である。作曲家・服部正の門下になって間もない小林は、兄弟子の世話でアレンジの仕事をして生活していた。しかし、「食えなくてもいいと、一切アレンジの仕事を辞めて。それで曲を作るようになったんです」と、生活よりも好きな道を選んだことを振り返った。この至ってシンプルな成功法則が、様々な名曲を世に送り出すことになったのである。また、ヒットの法則について、「歌を音楽だと思ったらダメなんですよ。歌い手という、ひとつの『演劇的要素』。それから歌詞という『文学的要素』、そして『音楽的要素』。この3つで作られているんです。どれが欠けてもダメ」という言葉も歌謡界の名言として刻んでおきたい。

小林亜星(こばやしあせい)
1932年8月11日生まれ、東京都杉並区出身。慶応大学医学部に入学するも、音楽活動に熱中し、親に無断で経済学部に転部。卒業後、製紙会社に就職するが、約2週間で辞め、作曲家・服部正に師事する。1969年、「イエイエ」や「エメロンシャンプー」などのテレビコマーシャルの音楽作品に対して第6回放送批評家賞を受賞。その後、コマーシャルソングの作曲は50作品を超える。1974年、テレビドラマ『寺内貫太郎一家』(TBS系列)の主演を務める。以降、俳優としても多くの作品に主演。1976年、「北の宿から」で『第18回日本レコード大賞』大賞受賞。2015年、『第57回日本レコード大賞』功労賞を受賞。『魔法使いサリー』や『まんが日本昔ばなし』なとのアニメソングから演歌まで、幅広いジャンルで名作を生み出し続けている。また、歌手や俳優、タレントとしてもマルチに活躍する。