歌手で女優の朝丘雪路が死去、82歳

ヒット曲「雨がやんだら」(1970年)で知られる歌手であり、深夜ワイドショー「11PM」(1965年〜1990年/日本テレビ・読売テレビ)の名物司会者としても人気を博した朝丘雪路が、2018年4月27日、心不全のため死去した。アルツハイマー型認知症で療養していたという。

日本画家の伊東深水を父に持ち、1935年に東京・築地に生まれる。3歳で、日本舞踊の花柳三之輔に師事。1952年、宝塚歌劇団に入団。月組に在籍し、娘役として活躍する。1955年、「ひとつの影、ジャジャンボ娘」で歌手デビュー。「NHK紅白歌合戦」には、「星はながれる」(1957年/第8回)を皮切りに計10回出場している。

「11PM」において、司会のパートナーだった大橋巨泉から「ボインちゃん」と呼ばれ愛称となり、それがそのまま「ボイン」という言葉の発祥となった。コメディからシリアスなドラマまで、様々な役柄を演じる女優として、舞台や映画、テレビドラマなど多くの作品に出演している。日本舞踊深水流の家元でもあり、その表現力の高さは伝統芸能に裏打ちされていた。

お嬢様育ちのおっとりとした天然キャラは、多くの人々に愛された。歌手として、女優として、司会者として、タレントとして、すべてに一流であった稀有な存在として、日本の芸能史に名を残した。