シンガーソングライターの森田童子が死去、65歳

テレビドラマ『高校教師』(1993年/TBS)の主題歌「ぼくたちの失敗」(1973年/2枚目のシングル曲)でのリバイバルヒットが注目を集めた森田童子が、4月24日に心不全で死去した。

「ぼくたちの失敗」は89.4万枚の売り上げを記録。『高校教師』挿入歌の「男のくせに泣いてくれた」や、映画版『高校教師』(1993年/東宝)の主題歌「たとえばぼくが死んだら」など、数々の曲が再評価された。同年発売されたアルバム『ぼくたちの失敗 森田童子ベスト・コレクション』も大ヒット。しかし、当時はすでに音楽活動を引退しており、表舞台に立つことはなかった。2016年には廃盤状態だった楽曲の最新リマスター版CDが再発売されるなど、長きに渡って多くのファンに愛され続けている。

1975年、「さよなら ぼくの ともだち」でレコードデビュー。この曲は、森田が20歳のときに、死に別れた友人のために作った曲と言われている。当時、音楽活動はライブハウスが中心だったが、1983年に引退するまでに4枚のシングルと7枚のアルバムを残している。カーリーヘアにサングラスいう独特なスタイルを貫き、ファンにその素顔を見せることはなかった。本名も明かさず、実生活も謎に包まれたままだった。

あの優しく語りかけるような歌唱法は、今も類を見ることはない。日本を代表するシンガーソングライターとして、楽曲と共にその名はいつまでも語り継がれることに違いない。