【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#52 パンクロッカー ・甲本ヒロトの言葉

仲村瞳の歌謡界偉人名言集

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

何を歌うかじゃなくて、あの心をカヴァーしたいんです

『ジャパニーズ・ロック・インタビュー集 時代を築いた20人の言葉』(TOブックス/越谷政義監修)より

※「ロックンロールは時空を超えているんだよ。人間は知らないうちにタイムマシーンを発明していて、それがロックンロールなんだと思うんだよ」と、この本の帯にも紹介されている甲本ヒロトのイカした言葉から、今回の名言につながっていく。インタビューを読むと、甲本は、プレイヤーではあるが、聴くことを楽しむ根っからのロックファンであることがわかる。ビートルズ、マディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ、セックス・ピストルズ、ローリング・ストーンズなど、ロックへの入口は無数にあるが、「中に入ればひとつのもの」と甲本は語る。「あの心」とは、例えば、「ジョン・レノンが『ツイスト・アンド・シャウト』を歌った時の心のありよう」とか、「マンフレッド・マンの『ドゥー・ワ・ディディ』の時代のイギリスのバンドがやっていたやり過ぎ行き過ぎの感じ」とも表現している。甲本は、間違いなく「あの心」を知っているミュージシャンなのだ。

甲本ヒロト(こうもとひろと)
1963年3月17日生まれ、岡山県岡山市出身。中学時代にセックス・ピストルズに衝撃を受け、ミュージシャンを志す。高校3年生の時に、ハードロックバンドのラウンド・アバウトに参加。1987年、ザ・ブルーハーツのボーカルとして「リンダリンダ」でデビュー。1995年には、ザ・ブルーハーツは解散を表明する。同年、ザ・ブルーハーツのギターでもあり甲本の親友でもある真島昌利と共に有限会社ハッピーソングを設立する。同年、真島と共に↑THE HIGH-LOWS↓を結成(2005年に活動休止)。 1997年、真島と資金を出しあって、機材倉庫を改装したアトミック・ブギー・スタジオを完成させる。2006年、ソロシングル「真夏のストレート/天国うまれ」を発表。ギター、ベース、ドラムをはじめ、ほとんどの楽器を甲本が演奏している。同年、真島と共にザ・クロマニヨンズを結成。甲本は、現在もザ・クロマニヨンズのボーカルとして活動している。なお、甲本と真島は、ザ・ブルーハーツ以降のすべてのバンドで30年以上も活動を共にしている。