【インタビュー】竹島 宏(前編)17年目に迎えた新境地と確信「今までと違うことが起きる」

【インタビュー】竹島 宏(前編)17年目に迎えた新境地と確信「今までと違うことが起きる」

新曲「恋町カウンター」Cタイプが8月15日に発売された竹島 宏さん。同曲はA、Bタイプが3月に発売され、オリコン週間 演歌・歌謡ランキングでも首位を獲得(3月26日付)。シングルでは連続6作の首位を記録中です。また、振り付け「恋町ダンス」も話題となり、レッスン動画が大好評。多くのファンが真似てダンス動画を公開するなど、今までの歌謡界にはなかったような盛り上がりを見せています。今回は、現在の思いやレコーディングの裏話、今後の抱負などを伺いました。

取材・文◎仲村 瞳

21作目のシングルで開いた新たな世界。はじめは「すべてがいっぱいいっぱいだったんです」

ーー「恋町カウンター」に出会った頃と今とで、歌に対しての思いの変化はありますか?

デモテープを聴かせていただいた時点では、「お洒落でとてもキャッチーな歌だな」と思いました。ただ、発売の直前に、簡単な振りを付けようという話になりまして、その振り付けが決まった時点でガラリと印象が代わりました。「なんかちょっと面白い歌になっちゃったな」というのが正直な感想です。歌の内容は、主人公の男性が酒場で出会った女の人を一生懸命口説こうとしているようなシチュエーションなんです。僕は、ダンスが踊れる人間ではなかったし、結構、ユニークな感じの振り付けなので、歌とダンスがちぐはぐな感じがして、すべてがいっぱいいっぱいだったんです。でも、スタッフの方々に披露した時に、皆さんが「何じゃこれ?」みたいな感じで、すごく面白がってくださって、それで、「あ、何か今までとは違うことが起きるのかもしれないな」って思いました。

ーー手応えがあったんですね。

はい。お客様の前で初めて踊って歌うことになった時に、ファンの方達にも、今まで見たことがない反応がありました。最初、僕が歌って踊ったときに、大笑いをされまして。お客様からすると、踊りながら歌っている竹島 宏っていうのが、まず信じられないみたいでした。しかも、その振り付けが意表をついていて面白い感じだったのですごいインパクトがあったようです。でも僕としては、自分が下手な踊りをしているばっかりに、皆が歌に集中できないのでは、とちょっと自信をなくしていたんです。それでも、やり続けているうちに、お客様が「すっごいよかった! 本当、生きていてよかった!」って言って帰って行かれたんです。その時、「あれ? 今までそういう言葉をいただいたことがなかったな」と思いました。それから、振り付けも全て含めた「恋町カウンター」への思いが180度変わったんです。皆さんがすごい楽しそうに僕を観ている。笑顔で帰っていく。僕は、しっとり系の歌が多かったので、今までのライブではそういう反応がなかったんです。この振り付けによって、歌の意味合いがすごく変わっちゃったことが逆にとても良い結果になったと思っています。

【インタビュー】竹島 宏(前編)17年目に迎えた新境地と確信「今までと違うことが起きる」

ーー新境地を開かれましたね。

そうですね。最初は本当に歌をじっくりと聴いていただこうかと思っていたんですが。とにかく今はこの歌とこのダンスで、全体的な世界観を皆様に楽しんでいただけたらいいかな、という思いで歌っています。

ーーダンスについてはいかがですか?

いえ、それが全然で……。最初から僕は踊れる人じゃないっていうのはダンスの先生もわかっていたので、「できるところだけでいいから」という感じでした。でも、なぜかスタッフの方々にも「竹島 宏は踊れる人だ」と大きな勘違いをされちゃいまして。色んな番組で、激しめの踊りをやるシーンを用意してくださることも最近増えてきています。それはそれでありがたいことなんですが、今後、ダンスをできる人を目指すのか。そこそこで終わる人になるのか。今はどうしたらいいのかな、という感じです(笑)。とにかく、「恋町カウンター」によって、声だけでなくカラダで表現するというところの面白さを学ばせてもらってよかったと思っています。ファンの皆様も楽しんで踊ってくださっていますし。キャンペーンなどでは、ファンの方々に「恋町ダンス」のレクチャータイムを必ず10分から15分設けています。「あたしできないよ!」と笑いながらやってらっしゃるファンの方達も、後半になると目つきも変わってだんだん真剣になってきて、楽しそうにやってくださっているので、今では本当によかったと思っています。

ーーキレの良い「恋町ダンス」をお寺の本堂で踊り、その動画を公開している、“ダンシング住職”もかなり話題になっているようですね。今までは、少年隊とマイケル・ジャクソンの振りを踊って、動画を公開していた方のようですが。

そうですね。最初見た時はびっくりしましたし、映像を見た時は、合成しているんじゃないかと思ったんですよ。お寺の本堂だけ撮って、お坊さんの恰好をした人が踊っているという、僕の中でもコスプレをされているくらいに考えていたんです。「本物だったらすごいよねー」と話していたら本物だったという(笑)。僕、そこに衝撃を受けて。もちろん色んな経緯を経てお坊さんになられる方もいらっしゃるから。さっきもラジオで話をしていたら、秋田のほうにもレゲエをやっているお坊さんがいるということをお聞きしました。でも、そういうお坊さんに出会えたというーー実は急遽明日お会いすることになったんですが、それもすごく楽しみですよね。

ーー奇跡的な出会いが生まれましたね。

はい。その方も4月22日放送の「NHKのど自慢」で「恋町カウンター」を歌った回をたまたまご覧になってくださらなかったら、ご縁がなかったかもしれないので。

【インタビュー】竹島 宏(前編)17年目に迎えた新境地と確信「今までと違うことが起きる」

ーー 一生ご縁がなかったかもしれないですよね。7月31日放送の「うたコン」に出演された際には、大阪の20人の子供達とも一緒に踊られていましたが、子供達とはどんなお話をなさったんですか?

「何歳?」って聞いたら、大体10歳前後のお子さん達でした。ああ~、ってことは「お父さん何歳?」って聞いたら自分より若い人もいたし、ちょっと上の人もいて、だいたい30代後半から40代半ば位のお父さんお母さんのお子さん達でした。たぶん普段から子役さんやダンスも熱心にやられているお子さん達のようなので、テレビに出ることに関しては全然慣れているというか、むしろ僕よりも堂々としていたなあと感じるんですけど、踊っている時以外は本当に子供で、わーすっごいなあ、と思いました。「こんにちはー!!」、「ワー! ギャー!!」って来るんですよ。

ーー本番になると切り替わるんですね。

もう、すごかったですね。表情の作り方とかもピシッとしてて。でも、そう考えると色んな人達と踊らせてもらっていて、嬉しいですね。

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