【インタビュー】ミッツマングローブ、星屑スキャット1stアルバム『化粧室』とソロシングル「東京タワー」への現在の思いを語る

【インタビュー】ミッツマングローブ、星屑スキャット1stアルバム『化粧室』とソロシングル「東京タワー」への現在の思いを語る

ーーミュージックフィルムは、作詞を手掛けたリリー・フランキーさんが総指揮をとられて、白石和彌さんが監督ということですが、ミッツさんがアイデアを出された部分もあるのでしょうか?

ないです。もう「新宿シャンソン」に関してはリリーさんとも言ってたんですけど、これも本当に熟成されきっちゃってるところがあるんですね。私達の中で。最初に曲をもらってから4、5年経っているので、もちろんライブでも歌っていますし、テレビとかでも何回か歌っていて、それこそ本当に、あとはもうへその緒を切ってリリースするだけっていう子宮の中で育ちきっちゃってる感じだっんです。なおかつ、その聴いてる人達の中での思い入れだったり、存在感っていうものがこの曲に関しては特に確立されてたと思うんです。ある意味、世の中にこの曲を解き放たないといつまでもこの曲を作った人と演じてる側でこねくりまわしてても、もはや何ももうここから先は変えようがない位、手は出尽くしたという感じです。あとは、色付けするのも、この先色付けするのは世間様の役割だと思うので、一度完全に自分達の手から離すという意味でも、白石監督と蒼井優ちゃんにお願いするっていうスタンスでした。

ーーライブで歌って気持ちの良い曲はどの曲でしょうか?

うーん、一番自分の中で大変じゃないのは(笑)、「半蔵門シェリ」ですね。メンバーのことも、この曲に関してはすごく私の中では信頼が出来ていて、基本、私、他の2人がちゃんとやれているかどうかが心配で……。ステージに立っていても、本当、最初の1時間位は客席側から見ているんです。監督とか演出家の気分なんですね。そうすると舞台に立っている演者として絶対に良くないと思うんですけど。そっち側にスイッチが切り変わらなくて。で、自分ばっかりボロッボロになっていくという。間違えちゃうっていう、悪循環なんです。「半蔵門シェリ」は、マイクスタンドで歌うので、立ち位置を間違えることもないし、あとは中塚さんとか上田禎さんとか、人に作ってもらった曲で歌詞を間違えると、それだけで罪悪感あるじゃないですか。自分で書いた曲で間違えたって、別に誰にも悪いって思わなくて済むから。そういう意味でもすごく楽に歌えるんです。

ーーどの曲も振付がカッコいいですね。振付は皆さんで考えられるのでしょうか?

いや、私ともう一人、振付をいつも手伝ってくれるダンサーの人と考えました。「コスメティック・サイレン」はKABA.ちゃんがフルで振りを当時付けてくれたんで、あれだけはすごいきっちりフォーメーションから体の向きから全部決まっているんですけど、他はもうわりとだらっとしていて。決めるところとそうじゃないところはわりと散漫になっちゃうんですけど。

ーー「星屑スキャット」でこれから挑戦したいことは何でしょうか?

とりあえず、もっと音楽的な認知度を上げたいなっていうところですね。まあ、いいんですけどね、もう私みたいなテレビタレントが、しかも女装しているテレビタレントが音楽やっているっていうと、「ふざけてんのかな」って思われちゃうのは、しょうがないとは思うんです。でも、それでも聴いてみたらなんか違うなでもいいし、面白がってくれれば一番それは嬉しいんです。

ーー9月にはライブが予定されていますね。曲目は皆さんで決められるのでしょうか?

全部私が決めています。曲順と、MCもなんとなく自分の中でイメージして。まあ、横に2人いるんで。なんとなくでやっています。

完全に歌手としてお仕事をさせていただいた。こういう作業はすごい好きなんです

ーーソロシングル「東京タワー」についてもお訊き訊きしたいと思います。昭和のノスタルジーも感じられるこの曲は、五木寛之さんが作詞と作曲(“立原岬”は五木寛之のペンネーム)を手掛け、ミッツさんに依頼されたということですが、五木さんとはこの度が初めてのご縁なのでしょうか?

もちろんです。

ーー五木さんは、ミッツさんの歌謡曲への愛情と時代を切り取る感覚に共感して依頼をしたということですね。初めて依頼を聞いた時はどのように思われましたか?

「ああ、すごいなあ」とびっくりしました。

ーーレコーディングの際、五木さんから歌に関して、希望や提案のようなものはあったのでしょうか?

レコーディングにもいらして色々イメージを教えていただいて。この歌の主人公の女性のスタンスだったり、性格だったり。あんまり、すがるような弱々しいような女じゃなくって、もっと堂々と、悲壮感が漂わないように歌って欲しい的なことを言われました。そこで私がアウトプットしたものが果たして五木さんのイメージ通りになれたのか、わからないんですけど。でもそのへんのことは指導してくださったので、この曲に関しては完全にもう私は歌い手としての役目を果たしています。

ーー五木さんは「期待に十二分にこたえてくれました」とコメントされていますね。カップリングの「かえしてYOKOHAMA」も五木さんが作詞を手掛けた、石黒ケイさん(作曲・歌)の曲なんですね。1980年の曲だそうですが、ご存知でしたか?

知らなかったです。カッコいい曲ですね。

ーーミッツさんが横浜出身ということで選ばれたのでしょうか?

いえ、そんなことはないです。どう選ばれたかは知らないです。これももう私は完全に歌い手として、お仕事をさせてもらったので。五木先生の作品ということで、レコード会社のほうでプロデュースもしてもらって。こういう作業は作業で私はすごい好きなんです。私は基本、主体性が全然ないので、自分から何かをアウトプットできないんですね。こう、会話だったり、雰囲気的なところで求められたものを何となく自分で解釈して出すってことは好きなんですけど……。基本はやっぱりセリフがあって、動きが決まっていて、起承転結みたいなものもある上で演じるっていうのが自分の性分にはすごく合っているんだと思っています。この「東京タワー」に関してはまさにちゃんとお膳立てしていただいた上で表現っていうかアウトプットをするという作業だったので、「星屑スキャット」に関しては、成り行きでこういう立ち位置になっちゃってますけど。

ーー歌手になる時にスイッチが入る瞬間というのはどんな時でしょうか?

うーん、オーディエンスがいるかいないかじゃないですか。ライブに限らず、求められなきゃたぶん私何も出てこないんです。例えば、カラオケでも欲してもらわないと絶対人前では歌わないんです。友達とかだったら全然適当に歌いたい曲を歌いますけど。基本は歌手というスイッチは、まあ、そういうことなんでしょうね。リクエストというか需要がないと……。それは皆さんそうなんじゃないでしょうか。

<星屑スキャットLIVE2018「惑星たちのダンステリア」>

日時:
9月29日(土) 18:15〜
9月30日(日) 14:15〜 / 18:00〜
会場:東京・Club eX
料金:全席指定 7,000円 (税込・入場時別途ドリンク代)
※未就学児童入場不可 ※お一人様各公演4枚まで

星屑スキャット 1stアルバム『化粧室』

星屑スキャット / 化粧室
2018年4月25日発売
COCP-40302~3(2枚組) / 3,500円(税込)
[ DISC1 収録楽曲 ]
1. Knock Me In The Middle Of The Night
2. 愛のミスタッチ
3. ANIMALIZER(2018 new mix)
4. 半蔵門シェリ
5. 波の数だけターコイズ
6. 降水確率
7. 星屑スキャットのテーマ(2018 new mix)
8. マグネット・ジョーに気をつけろ(シングル・バージョン)
9. Interlude – Cosmetic
10. コスメティック・サイレン
11. REMEMBER THE NIGHT(2018 new mix)
12. HANA-MICHI
Bonus Track: ご乱心(2018 extended mix)

[ DISC2 収録楽曲 ]
1.新宿シャンソン

ミッツマングローブ シングル『東京タワー』


2018年1月24日発売
COCA-17411 / 1,204円+税
[ 収録楽曲 ]
1. 東京タワー
2. かえしてYOKOHAMA
3. 東京タワー(Instrumental)
4. かえしてYOKOHAMA(Instrumental)

関連リンク

◆星屑スキャット オフィシャルサイト
◆ミッツマングローブ オフィシャルサイト

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