【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#75 ブルースボーカリスト・木村充揮の言葉

仲村瞳の歌謡界偉人名言集

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

“お洒落”っていうんは結局楽しむことやし、“格好ええ”っていうんは好きなことを大事にすることやと思うしね

『Roofop』木村充揮インタビュー/2010.2.19

今回の名言は、憂歌団のメインボーカルである木村充揮へのインタビューからの抜粋。木村は当時、憂歌団のデビューから35周年を迎えている。話の中には「楽しむ」という言葉が多出していて印象深い。インタビュアーの「創作意欲が枯れるようなことはこれまでにありませんでしたか」という問いかけに対しても、「創作意欲なんかあんまありませんよ、僕は。作ろう、作ろうっていうんやなくて、楽しもう、楽しもうっていう感じやから」と語っている。また、ライブについても「風の流れのもんやからね。風って止まってるもんやないし、ずっと動いとるから、それをただ気ままに楽しむ」と言う。今もブルース一筋に歌い続ける男の人生哲学が、これらの名言に集約されているようだ。他に、「好きなことをせんかったら表現にならへんもんね」という、木村の言葉にもアーティストとしての一つの真理を感じる。

木村充揮(きむらあつき)
1954年3月24日生まれ、大阪府大阪市出身。「天使のダミ声」と称される、日本を代表するブルースボーカリスト。1970年、内田勘太郎(ギター/ボーカル)とともに憂歌団を結成。1974年に、花岡献治(ベース/ボーカル)、島田和夫(ドラム)が加入。1975年、「おそうじオバチャン」(ショーボートレベール)でレコードデビュー。しかし、発売から一週間後に放送禁止となる。1988年、アメリカイリノイ州シカゴの『シカゴ・ブルース・フェスティバル』に日本人として初めて出演し話題となる。アルバム『BLUE’S』が大ヒット。1996年、テレビアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』(4作目)にて、オープニングとエンディングのテーマ曲を担当する。1994年、ソロボーカリストとして活動を開始。近藤房之助や有山じゅんじなどともに、様々なユニットでも活動を展開する。1998年より、憂歌団は無期限で活動を休眠。2013年、再結成し活動を再開、現在に至る。現在は、ソロを中心にライブなどで精力的に活動している。2019年1月3日と4日に、大阪心斎橋『BIGCAT』にて、『新春!南吠える!!』に、有山じゅんじ、三宅伸治らとともに出演予定。