【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#105 シンガーソングライター・山崎ハコの言葉

仲村瞳の歌謡界偉人名言集

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

人は誰でも弱い嘘つき、弱いほどに罪深い

『女性自身』(山崎ハコ vol.6/2008.8.22)より

今回の言葉は、このインタビューの中で、山崎ハコ自身が、名言として取り上げた歌詞の一節である。それは、自らが作詞作曲した「流れ酔い唄」(1978年)という楽曲。山崎は1998年、所属していた事務所に管理されていたはずのお金を社長に持ち逃げされている。事務所は倒産し、そのため、山崎はホームレスにも近い極貧生活を経験することとなった。しかし、「その歌があったから事務所のこともすべて、人を一切恨んでいません」と語っている。この歌詞が、“自分をもっと強くしなくてはならない”という戒めになったのである。「自分がもっと強ければ、耐えられる。でも、弱いと耐えられない。人を攻撃するのは自分が弱いからなんですよね」という言葉も心に刺さる。

山崎ハコ(やまざきはこ)
1957年5月18日 生まれ、大分県日田市出身。シンガーソングライター、女優。1975年、横浜学園高等学校在学中にアルバム『飛・び・ま・す』でレコードデビュー。当時、「中島みゆきのライバル」として脚光を浴びる。1979年に発売されたアルバム『人間まがい』に収録された「呪い」は、深夜ラジオ番組『大槻ケンヂのオールナイトニッポン』や『コサキンDEワァオ!』など、様々なメディアで取り上げられたことで代表曲のひとつとなる。映画『青春の門』(1981年版)のテーマソングとして「織江の歌」が採用され、音楽ファン以外にも山崎ハコの名が全国的に広まる。2010年、映画『ヘヴンズ ストーリー』で女優デビューし、第25回高崎映画祭で最優秀助演女優賞を受賞する。それ以後も、『脳男』(2013年)、『雪子さんの足音』 (2019年)など多数の作品に出演し女優としても活躍している。 2019年9月5日、長野市のライブハウス・INDIA live the SKYにて、<山崎ハコ・まもなく45周年です!LIVE>を開催予定。