【インタビュー】歌謡殿堂レジェンド〜成功への道〜 第一回:こまどり姉妹

【インタビュー】歌謡殿堂レジェンド成功への道 第一回:こまどり姉妹

明日は明日の新しい日を迎えよう

ーー今もなお、現役で活動を続けられる原動力とは何でしょうか?

敏子「そうですね。どこも悪いところがないので、血圧も正常だしね。糖尿病にもなってないし、コレステロールも中性脂肪も何もかも標準だしね。だから足腰痛いとか歩けないとか、っていうそういうのは全然ないんですよ。だから一日8千歩とか1万歩とか歩けるし、そういう、どこも痛くないのが有難いっていうか、やっぱり親からもらった身体と、歯も今この年になって、20何本あるでしょ」

栄子「そのまま。普通の人は無くなっちゃうでしょ」

敏子「だから、食べるものもよく噛んで食べたりするし、野菜も噛めるし、肉も魚も食べられるし」

栄子「お水もたくさん飲めるしね」

敏子「水は飲みますよ。すごくね。ラーメンもお水と氷入れて、熱いのと薄めるのと両方で。私がガンになってね。治ったときから、お姉さんと赤ちゃんが食べるような温度と塩分で食べて行こうねって言って、それからものは薄めて、なるべくお刺身もじゃぼじゃぼお醤油つけないで、ちょっとたらす位にしているの。腎臓が普通の人の半分しか2人ともないのも原因なんですけど。うちの母系統は腎臓が小さくってね、みんな腎臓で亡くなってるんですよ。うちのおばあちゃんもね。母系統の兄弟も従妹も。腎臓で40代で亡くなっているので」

栄子「50代で亡くなるかと思ってね」

敏子「それがそうやって気を付けることで、こうやって長生きしてるから」

栄子「重たいこととか色んなことがなくなってるのよね」

敏子「もう、無理をしないように、とにかく、今日を大事に生きるということよね。今日楽しく、幸せだと思って生きれば、明日は絶対いい日が迎えられるって、ちっちゃい時からの思いですけどね。今日嫌なことがあって、辛いことがあっても、忘れる術を覚えたんです。嫌なこと全部今日でおしまい。明日は明日の新しい日を迎えようって。朝日はいっつも早く起きて拝みますよ。4時か5時頃にね。朝日が昇ってくるのを待っていてね。手を合わせて拝むような生き方をしているんですよ。それで昼間は太陽に10分か15分手のひらをあてるのね。太陽を吸収するんですよ。ビタミンDっていってね、自分で作れない骨を丈夫にするとか、色んな栄養素っていうの? 太陽からもらうの。体に吸収させるんですよ。外でやっていると、『何あの人、陽だまりで、何をやっているんだろう?』、ってなるかもしれないですけど、私達にとっては太陽からエネルギーをもらうっていうのはすごいことなんですね。花や木が太陽に向かって伸びようとするのは、栄養素があるわけですよね。絶対土とか水だけじゃなくて太陽の光にもものすごいエネルギーが、人間がまだ、気が付かないようなものがあるっていうことが病気した時にわかったんですよ」

ーー科学で解明できないようなものが。

敏子「そう。この吸っている空気にも、ただ酸素だとか空気だとか言ってるけど、空気の中にもまだまだ解明されないようなものが、素晴らしい栄養があるわけですよ。だから私、ガンが肺に転移して、空気吸えなくなった時にね、痛みなく空気吸っていた時代がどれだけありがたかったかね。もう涙出しながら神様にお詫び申し上げたり、色んなことしたものなんですよ。山林がいいとか浜辺がいいとか関係ないのよ! 街中でも何でもおんなじなのよ。空気の素晴らしさは。何か話が横にそれちゃって(笑)」

ーーとても面白いです。

敏子「だから、そういうことを会得できたっていうのは、二人とも普通の人と違うところかな」

栄子「一日三回歩くんだから」

敏子「食事の後のほうがもっといいわけね」

ーー20分ずつですか?

栄子「そうそう。身体にいいのよ。すると毒素が出てくるから」

ーー歌うのは身体が資本ですからね。

敏子「そうよ。だって楽しいとか、素敵だとか、物を見るとか、絵を見ても何しても、『素敵ね』って思えるのは、身体に痛みがないからそう思えるんでしょ。どっかに痛みがあるとそれどころじゃないもの。だから、なるべく、心の悩みとか、身体の痛みを少なくすることを考えた方が幸せの感度が上がるということね」

栄子「幸せになっているんだから、毎日」

【インタビュー】歌謡殿堂レジェンド成功への道 第一回:こまどり姉妹

ーーすべての人に言えることですね。

敏子「そう。なるべく、身体が痛まないように。心も、悩みなんか持っていたって、考え方ひとつで捨てられるのよ。切り替えできるわけですよ。嫌いな人、顔も見たくないっていうのは、自分の好み、癖や性分なんであって、見なきゃ見ないで済むような行動をとればいいだけの話で、何もそこにいる人と向かい合って喧嘩することないのよね。自分に合わない人や合わないことが来たら避けて通るから。それが自分にとって一番いいことよ」

栄子「それぞれ生きるからいいじゃないのって思うからさ。自分は自分でね。人のことは全然関知しない」

敏子「もう、そういう悩むような時間があったなら、他の楽しいことを考えたりしなさいねって。二人はそういう風に生きているの」

栄子「だから面白いの。毎日が楽しいのよ」

敏子「楽しいと思うと血流も良くなるし、免疫力が上がるしね。変な栄養剤飲むよりよっぽどいいわけよ。嬉しいとか喜ぶっていう気持ちはものすごい力があるんだから。そういう感動を身体に与えると、その時だけでもエネルギーがたまるのよ。そういう場面を多く持ったほうがいいよね。年取ると、自分の顔見たって、若い時の顔と比べたらきりないでしょ。そんなことを嘆いてなんになるっちゅうのよ。あの池之端の蓮の花を見なさいよ。綺麗な時はいいけど、枯れてしぼむときは、葉っぱも何も茶色になってしなびているのよ。でも、役目を果たしたもののその気持ち。人間で言えば、自分がこの世で楽しいことあってよかったね、っていう感じのね、そういう姿をしてるわけ。どんなに人から見て汚く見えても、蓮の葉っぱにとっては、花を咲かせて種を残して、自分の役目が終わったっていうそういう誇りみたいなものはちゃんとあるのよ。そういう風にして顔を見ると、81歳の顔に自信を持って、よくぞここまでシワが寄ってくれたな、と思っているの。私なんか。33歳の時に死ぬ目に逢っているんだから。死んでいたらこんなおしゃべりもできないわけだから。あの時綺麗なまま死んでよかったのか、この年になって、こんな皺くちゃになってもね、元気でこうやっているほうがよかったか。お金を何十億もらってもね、もうお金に換えられない喜びだよね。命の尊さっていうのはこの宇宙のこの中に私の命と身体って一つだから、変わりないから。だから自殺したりなんかする人っって、もったいないなって思うけど、その人はその人なりの寿命なんですよ。そこに決められているのよね。運命なんです。運命ってたくさんあるから、だから人のことどうのこうのと言えないの。だから長生きしたら、楽しみが増えて得ですよっていうのは言えるけどね。だけど、他の人のことは言えないな」

栄子「他の人は他の人でさ」

敏子「年取って、私は人生何もいいことなかったって愚痴言う人がいるけど、いいことあったでしょって言いたいけど、言わないものね。いいことがあったのに忘れているんだから。生かされて、親に感謝しなかったらバチ当たる。美味しかった思いとかね。素晴らしい景色を見たとか。生きているっていうことの素晴らしさを全部感じているわけですよ。人間はね。動物でも感じているんだから」

ーー大変貴重なお話を、ありがとうございました。

【インタビュー】歌謡殿堂レジェンド成功への道 第一回:こまどり姉妹

<日本歌手協会チャリティーコンサート 第46回歌謡祭・歌謡フェスティバル2019>

11月12日(火)・13日(水) 昼の部/夜の部
※こまどり姉妹の出演は13日(水) 昼の部
会場:東京・中野サンプラザホール

こまどり姉妹

生年月日:昭和13年2月16日
出身地:北海道・釧路

幼い頃より門付け流しをして父母を助ける。
上京後、三味線を弾いて流すうちに評判となり、スカウトを受けて昭和34年より作曲家・遠藤実に師事。同年10月、「浅草姉妹」でデビュー。「三味線姉妹」「ソーラン渡り鳥」など、ヒット曲を連発し、昭和36年にはNHK紅白歌合戦に初出場。しかし人気絶頂だった昭和41年、熱狂的なファンによる傷害事件が起こるなど様々な苦難を味わい、昭和48年に芸能界を引退。
昭和58年、活動再開。以後、現在まで元気に歌い続け、デビュー50周年の平成20年には第50回日本レコード大賞功労賞を受賞。翌平成21年には、ドキュメンタリー映画『こまどり姉妹がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』が公開された。

関連リンク

◆こまどり姉妹 オフィシャルサイト

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