森昌子が東京でラストコンサート、母親も見守る中で25曲熱唱

森昌子

1972年7月1日にデビューし、「せんせい」をはじめ、「哀しみ本線日本海」「越冬つばめ」など数々のヒット曲を放ち、12月25日で引退する森昌子が24日、東京・渋谷区のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で<森昌子ラストコンサート~爆笑!コントで綴る昭和歌謡ファイナル~>と銘打ったコンサートを開いた。

昨年10月にスタートした「還暦コンサート」ツアーが、今年3月に発表した「引退」記者会見後、11月から「ラストコンサート」ツアーに変わり、全国約130カ所で開催。東京ではこの日が最後の公演となり、翌25日の出身地、栃木県宇都宮市にある宇都宮市文化会館 大ホールでファイナルを迎える。

そんな東京での最後のコンサートには、往年のファンが約2,000人駆けつけ、満席の中、「本日のコンサートは2部構成で、第1部は大好評の歌謡コント。物語は、私たちの青春だった昭和です。昭和62年のとある中華料理店で私と一緒にタイムスリップしてみましょう。題して『爆笑!コントで綴る昭和歌謡』」と紹介。おなじみのバラエティー番組でも人気を博している「ま~ちゃん」というランドセルを背負ったピンクのつなぎを着た小学2年生に扮して、父親役の司会者を相手に爆笑コントを披露。

森昌子

続いてセーラー服に着替え、デビュー当時のヒット曲から「せんせい」「同級生」「中学三年生」の「学園三部作」をはじめ、振り袖やドレス姿で「なみだの桟橋」「おかあさん」「哀しみ本線日本海」「立待岬」「越冬つばめ」、それにラストシングル「あなたの愛に包まれながら」など全25曲を熱唱。

ラスト曲『あなたの愛に包まれながら』を歌う前、「私は間もなくこの歌の世界から引退させていただきます。27歳で一度引退をして、結婚し、3人の子どもを育て、そして離婚をして…私は自分の家族を守るために図々しくももう一度この歌の世界に戻ってまいりました。そんな私を温かく迎えてくださった、応援してくださった皆さまにはどんなに感謝しても足りません。それなのに何もお返しできないまま、またいなくなります。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」。

森昌子

「でも、私なりに考えて、考え抜いた結論なんです。どうか私のわがままを許してください。最後にお届けする歌は、今日、私が皆さまに一番聴いていただきたかった歌です。振り返れば、私の人生も皆さまと同じようにいろんなことがありました。うれしいこと、楽しいことばかりではなく、雨の日もあり、風の日もあり、そして時には心が折れてしまった夜もありました。でも、そのたびに皆さまの優しさに助けられながらどうにか今日まで歩いてくることができました。たった一度の人生、残された人生は大いに笑って、明るく元気に生きていこうという人生の応援歌を聴いてください」と涙ぐみながら語り、ファンから大きな拍手が送られた。

会場からの割れんばかりのアンコールで再びTシャツとジーンズ姿で登場し、ファンが総立ちの中、「人生に乾杯」「せんせい」など、フィナーレは明るく笑顔いっぱいに歌い上げ、東京でのコンサートに幕を閉じた。この日の会場には、森の母親、幸子さんも駆けつけ、娘の東京での最後のステージをじっと見守っていた。

(提供:サンニュース)