【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#152 アーティスト・加山雄三の言葉

仲村瞳の歌謡界偉人名言集

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

人生に感動し、それこそ夢中になって生きているかぎり、いくつになっても、それは “青春”といってもいいと思う

『父からの贈りもの』(著・加山雄三/小学館/1986年6月7日発行)より

母親の死、莫大な借金、極貧の新婚生活、4人の子育て、父親(上原謙)や祖母から教え……。日本屈指のスーパースター加山雄三は、一人の家庭人としての生き様をこの本に書き記している。ある日、加山はテレビから流れる「この映画はすごくかっこいいのよ。あの加山雄三みたいに、青春をひきずって歩いてるのと違うのよねえ」という声を耳にする。その心ない言葉に対する加山の思いが今回の名言。「 “青春”というのは、10代、20代を象徴する言葉ではない」という思いと共に綴られている。それに関連して、加山は、黒柳徹子が有名企業のフレッシュマンたちに贈った以下の言葉を紹介している。「どうぞ、仕事に早くお慣れになってください。でも人生にはお慣れにならないでください……。そして、新鮮な驚きと、たえまない疑問を持ち続けてください」。“青春をひきずっている”と形容する者は、老いに悩み生きるのだろう。加山と海の仲間たちの合言葉は、「湘南オールドボーイ、頭はげてもスケボーだ」。

加山雄三(かやまゆうぞう)
1937年4月11日生まれ、神奈川県横浜市出身。歌手、シンガーソングライター、ギタリスト、ピアニスト、ウクレレ奏者、俳優、タレント、作曲家(弾厚作)、画家。趣味も豊富で、航海、鉄道、スキー、料理などにも本格的に取り組む。小型船舶免許、5級海技士免許も所持。1960年、映画『男対男』に出演し俳優デビュー。1961年「大学の若大将/夜の太陽」で歌手デビュー。1965年、映画『エレキの若大将』の主題歌「君といつまでも」が売上約350万枚を記録する大ヒット。映画『若大将シリーズ』も次々とヒットを飛ばし、大スターとして不動の地位を築く。その後、映画やテレビドラマはもとより、『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』などバラエティ番組などにも出演しお茶の間の人気者となる。1986年 、1987年、 1988年と『NHK紅白歌合戦』で白組の司会・キャプテンを3年連続で務めた。1994年、ワイルドワンズの島英二、植田芳暁らと、加山雄三&ハイパーランチャーズを結成。2011年、『第61回芸術選奨 文部科学大臣賞』大衆芸能部門受賞。2014年、旭日小綬章を受章。2017年6月、『第8回岩谷時子賞』を受賞。いまもなお、様々な分野のプレーヤーとして第一線で活躍を続けている。


仲村 瞳(なかむらひとみ)
仲村瞳(なかむらひとみ)
編集者・ライター。2003年、『週刊SPA!』(扶桑社)でライターデビュー後、『TOKYO1週間』(講談社)、『Hot-Dog PRESS』(講談社)などの情報誌で雑誌制作に従事する。2009年、『のせすぎ! 中野ブロードウェイ』(辰巳出版)の制作をきっかけに中野ブロードウェイ研究家として活動を開始。ゾンビ漫画『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ~童貞SOS~』(著・すぎむらしんいち/講談社)の単行本巻末記事を担当。2012年から絵馬研究本『えまにあん』(自主制作)を発行し、絵馬研究家としても活動を続ける。2014年にライフワークでもある昭和歌謡研究をテーマとした『昭和歌謡文化継承委員会』を発足し会長として活動中。
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