様々なジャンルで名曲を提供し続けた作曲家の小林亜星が死去、享年88

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歌謡曲、演歌、ポップス、クラシック、ジャズ、ロックなど幅広いジャンルを超えた作曲活動に、作詞家、歌手、俳優としても第一線で活躍し続けた作曲家の小林亜星が、2021年5月30日に心不全により死去した。

1932年8月11日生まれ、東京都渋谷区出身。作曲家、作詞家、俳優、タレント、歌手。高校生の頃からバンドを組み、進駐軍のクラブなどで音楽活動を始める。1955年、慶応義塾大学経済学部卒業後、一般企業に就職。しかし2週間で辞め、作曲家を志して大学の先輩にあたる服部正に師事する。 出世作となった、1961年のCMソング・レナウン「ワンサカ娘」をはじめ、レナウン「イエイエ」、サントリーオールド「夜がくる」、エメロン「ふりむかないで」、明治製菓「チェルシー」、ブリヂストン「どこまでも行こう」、 日立「この木なんの木」など、 次々とヒットCMソングを世に送り出す。

1969年には「イエイエ」「エメロンシャンプー」他のCM音楽作曲により、第6回放送批評家賞(ギャラクシー賞)を受賞している。1972年、「ピンポンパン体操」が200万枚の売上を超す大ヒットを記録し、日本レコード大賞童謡賞を受賞。

1974年には、巨体を買われて、向田邦子作のTVドラマ『寺内貫太郎一家』に主演で俳優デビュー。お茶の間でも親しまれる存在となる。それ以来、俳優やタレントとしても活躍。

1976年、都はるみの「北の宿から」で日本レコード大賞を受賞。 歌謡曲以外に、ドラマ(『向田スペシャル』『裸の大将』『三匹が斬る』など)やアニメ(『狼少年ケン』『ガッチャマン』『ひみつのアッコちゃん』『魔法使いサリー』『怪物くん』『あさりちゃん』など)の音楽も数多く作曲している。
 
2002年、NHK連続テレビ小説『さくら』では、 主人公さくらの祖父役で俳優として円熟味を増した演技を披露した。2015年、日本レコード大賞・功労賞を受賞。2019年には、アルバム『小んなうた 亞んなうた 〜小林亜星 楽曲全集〜』を発売している。昭和の文化を、様々な角度から豊かに導いた才人のひとりだった。


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◆小林亜星 オフィシャルサイト