“女ボブ・ディラン”の異名をとったシンガーソングライターの中山ラビが死去

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テレビドラマ『結婚前夜シリーズ』(1976年)の主題歌「時よおやすみ」や、NHKドラマ『小夜子の駅』(1976年)の主題歌「かえりたくって」などで知られる中山ラビが、2021年7月4日、がんによる衰弱により死去。

東京都出身のシンガーソングライター。生年月日は非公開。1969年、大学在学中に<第4回関西フォークキャンプ>に自費で参加し、京都の円山公園野外音楽堂での打ち上げコンサートにて「俺じゃだめ」(作詞・作曲:ボブ・ディラン、訳詞:中山容)などを歌いライブデビューを果たす。

1972年、1stアルバム『私ってこんな』でメジャーデビュー。1976年、深夜ラジオ番組『真夜中のスケッチ』に出演しパーソナリティーとして人気を博す。1981年、東京・渋谷ジァン・ジァンにてひとり芝居を公演し、自作した挿入歌を披露。

以降、演劇や舞踊など他分野とのコラボレーションに取り組むようになる。加藤和彦のプロデュースによるアルバム制作のほか、ステージやイベントにも精力的に取り組む。斉藤由貴主演、相米慎二監督の映画『雪の断章 情熱』(1985年、東宝)に「ノスタルジィ」が挿入歌として使われている。

1987年に音楽活動を停止したが、1997年3月7日、詩人・中山容が他界したことがきっかけとなり、音楽活動を再開。1999年、中山ラビBANDとして中山容の命日に開催された展覧会のライブに出演。

1999年、京都の円山公園音楽堂でのフォークキャンプ<夏の同窓会 京都フォークキャンプコンサート>に、遠藤賢司、高田渡、高石ともやとザ・ナターシャー・セブンらと共に出演。

2006年、ベストCD『ゴールデン☆ベスト 中山ラビ』をリリース。同年、長編ドキュメンタリー映画『9.11-8.15 日本心中』の挿入歌を担当。2009年、ライブDVD『ラビ組ライブ2008』をリリース。1977年からオーナーとなった東京・国分寺の喫茶店 ほんやら洞では、中山が毎晩店に立ち、調理や接客も行っていた。作家の花村萬月、漫画家のいしかわじゅんらが常連だった。いしかわの人気作『蘭丸ロック』(1980年)に登場する喫茶店 ぼんやり洞の店主は中山がモデルである。