ザ・ピーナッツやザ・タイガースのヒット曲に、ゲーム『ドラゴンクエスト』のなどの音楽作品で馴染み深い作曲家のすぎやまこういちが死去、享年90


『ドラゴンクエストシリーズ』『風来のシレンシリーズ』に代表されるゲーム音楽や、歌謡曲、アニメソング、CMソングなど、多くのジャンルで功績を残した作曲家のすぎやまこういちが、2021年9月30日に敗血症性ショックのため死去した。

1931年4月11日生まれ、東京都台東区出身。作曲家、編曲家、指揮者。東京大学教育学部を卒業後、文化放送を経てフジテレビに入社。『おとなの漫画』『ザ・ヒットパレード』など、伝説的なテレビ番組の企画や演出を担当。1960年代からテレビマンの傍ら、作曲活動も始める。ザ・ピーナッツの「恋のフーガ」(1967年)、ザ・タイガースの「花の首飾り」(1968年)、ヴィレッジ・シンガーズの「亜麻色の髪の乙女」(1968年)など、次々とヒット曲を生み出し、作曲家として名声を得る。

1970年代から『科学忍者隊ガッチャマンII』『マシンハヤブサ』をはじめ、特撮やアニメなどの音楽を数多く手がけるようになる。1986年、『ドラゴンクエスト』の作曲を担当。その後、ゲーム音楽の作曲家として世界的に知られるようになる。1987年からオーケストラなどを率いて『ファミリークラシックコンサート』『「ドラゴンクエスト」コンサート』などのコンサートも開催。

日本中央競馬会(JRA)のレース前に流れる入場曲とファンファーレも作曲している。1987年から現在まで使用されている中山競馬場のGIファンファーレはすぎやまの作品である。

2004年、SUGIレーベルを設立。2016年9月3日、東京芸術劇場コンサートホールで行われた『第30回ファミリークラシックコンサート-ドラゴンクエストの世界-』の開催中に『世界最高齢でゲーム音楽を作曲した作曲家』としてギネス世界記録をサプライズ受賞。

2018年、秋の叙勲で『旭日小綬章』を受章。2020年、文化功労者を授与。2021年7月23日、『2020年東京オリンピック』の開会式の各国入場行進曲として『ドラゴンクエスト』の「序曲:ロトのテーマ」が使用されている。世界に誇る、日本の大作曲家と呼ぶに相応しい人物である。


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◆すぎやまこういち オフィシャルサイト