泉谷しげる、松田優作らビクターのロック名盤シリーズ発売、トレイラー映像も公開

『ビクター・ビンテージ・ロック~日本のロック名作選~』

1960年代末から日本のロックを牽引してきたビクターの豊富なカタログの中から名盤をセレクトした「ビクター・ビンテージ・ロック~日本のロック名作選~」が3月8日と22日に発売される。同シリーズはGS、ガレージ、R&B、ブルース、サザン・ロック、パンク、めんたいビートなど様々なジャンルを超えて、時代を切り開いてきた日本のロックを一望できる内容になっており、可能な限りオリジナル・マスターからのリマスタリングに拘った。そのマスタリングはビクタースタジオの新システム、K2HD PRO MASTERINGを採用している。また、それぞれの収録曲が試聴できるトレイラー映像も公開されている。

ビクターはフライング・ドッグ、インビテーションなど時代に即応するロック・レーベルを数多く設立しており、このシリーズではそれらのレーベルから象徴的なアーティストを選ぶと同時に、長らく生産中止になっていたものや初CD化の作品も含んでいる。改めてラインナップを見てみると、硬派で男性的なアーティストが多いのが今シリーズの特徴で、PANTA、アナーキー、ARB、松田優作、泉谷しげるなど、昨今では久しくなってしまった熱い男のロック魂を十二分に堪能できる。

また、今回ピックアップされたアーティストは、バンド間の交流も多く、互いに影響を与え合っている。例えば、BOWWOWの斉藤光浩は、脱退後1983年、ARBの二代目ギタリストとして加入し、その後、ARBの初代ギタリスト田中一郎や三代目ギタリスト白浜久と共に活動をしたこともある。

ARBの石橋凌は、松田優作の初監督作品「ア・ホーマンス」(1986年)に俳優として初出演し注目を集め、1990年、ARBを解散し、彼の遺志を継いで一時期、俳優業に専念した。

サンハウスの後期ベーシスト、浅田孟は解散後、シーナ&ロケッツに加入し、その後1987年にはARBに参加している。サンハウスの柴山俊之は、1978年解散後、作詞家としてシーナ&ロケッツやARB,松田優作などへ作品を提供している。

泉谷しげるのアルバムは、ROCK BAND(ex.アナーキー)の仲野茂や藤沼伸一、鮎川誠、山口冨士夫、忌野清志郎らが客演し、LOSERの面々をバックアップしている。

今回のシリーズの集大成とも言えるのが、アルバム「THE COVER SPECIAL」。ROCK BANDの仲野茂の呼掛けのもと、サンハウスの柴山俊之、PANTAが集まり、ARB、サンハウス、PANTA & HAL、ROCK BAND等のメンバーがバックを務め、忌野清志郎、かまやつひろしらもゲスト参加した象徴的なカヴァー・ライブ・アルバム。同アルバムは彼らが影響を受けた洋楽を収録しているが、その中に3曲だけ日本のロックが含まれている。それが柴山俊之のサンハウスと山口冨士夫の村八分の作品である。

さらに、サザン・ロックのアイドルワイルド・サウスや、SSWテイストの元はちみつぱいの渡辺勝のアルバムも久しぶりの再発で、日本のザ・バンドともいえるボブズ・フィッシュ・マーケットは初CD化となる。このように洋楽のエッセンスを取り入れながらも、独自の日本のロックを作り上げてきた「ビクター・ビンテージ・ロック~日本のロック名作選~」は、日本のロックをあまり聴いてこなかったリスナーにもそのクオリティの高さを十二分に感じ取れるシリーズである。

なお、3月20日(月・祝)に、新宿カブキラウンジにて解説を書いた金澤寿和、ガモウユウイチらによるDJイベントも行われる。

ビクター・ビンテージ・ロック~日本のロック名作選~ ラインナップ

・3/8発売
VICL-64736 ザ・ダイナマイツ/ヤング・サウンド・R&Bはこれだ!(ボーナス・トラック2曲収録)
VICL-64737 頭脳警察/頭脳警察2
VICL-64738 アイドルワイルド・サウス/キープ・オン・トラッキン
VICL-64739 BOWWOW/SIGNAL FIRE
VICL-64740 渡辺勝/HELLO
VICL-64741 BOB’S FISH MARKET/ボブズ・フィッシュ・マーケット(初CD化)
VICL-64742 岡林信康/街はステキなカーニバル(ボーナス・トラック2曲収録)
VICL-64743 アナーキー/アナーキー(ボーナス・トラック1曲収録)
VICL-64744 ARB/BAD NEWS(ボーナス・トラック4曲収録)
VICL-64745 PANTA&HAL/マラッカ
VICL-64746 松田優作/HARDEST NIGHT LIVE
VICL-64747 BOOWY/MORAL
VICL-64748 佐藤みつる/ブルーミング・アローン(佐藤みつる本人によるリマスタリング)
・3/22発売
VICL-64749 森園勝敏/クロス・トーク

タワーレコード限定盤
・3/8発売
NCS-10161~10162サンハウス/クレイジー・ダイヤモンズ(2枚組)(カセット・マスター使用による完全収録盤)
NCS-10163 泉谷しげる/吠えるバラッド(レコードより曲数が多いCD仕様)(ボーナス・トラック3曲収録)
NCS-10164 泉谷しげる with LOSER/HOWLING LIVE
NCS-10165 泉谷しげる/IZUMIYA-SELF COVERS(レコードより曲数が多いCD仕様)(ボーナス・トラック1曲収録)
NCS-10166 THE COVER SPECIAL(レコードより3曲多いCD仕様)

■ビクターの新マスタリングシステム=K2HD PRO MASTERINGを採用
■オリジナル・マスターからの2017年最新リマスタリング
■価格:各2,300円+税(*2枚組 2,500円+税)
■紙ジャケット仕様
■シングル・スリーブ復刻(ボーナス・トラック収録アルバムのみ)
■完全生産限定盤
■解説:市川清師、金澤寿和、ガモウユウイチ、波多野寛昭、馬飼野元宏、安田謙一、吉原聖洋

<和ビンテージ・ロック・ナイト~日本のロック名作選~>

<和ビンテージ・ロック・ナイト~日本のロック名作選~>
・日時:3月20日(月・祝)16:00~22:00
・場所:新宿カブキラウンジ
・料金:1,000円(1ドリンク)
※フライヤーの提示で500円OFF

Victor Entertainmentオフィシャルサイト

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