藤あや子、歌手生活30周年記念コンサートで二葉百合子と念願の共演

藤あや子

1987年に村勢真奈美名で歌手デビューし、1989年藤あや子に改名、今年で歌手生活30周年を迎えた藤あや子。その30周年を記念して、5月12日に「藤あや子 歌手生活30周年記念コンサート 艶歌暦(つやうたごよみ)」と題され昼夜2回公演が中野サンプラザで開催され、約4,000人を魅了した。

藤あや子としてデビュー3作目の「こころ酒」が大ヒットし第43回NHK紅白歌合戦の初出場を果たし、その後も「むらさき雨情」「花のワルツ」「雪 深深」など数多くのヒット曲を輩出。また、「小野 彩」というペンネームで作詞・作曲もこなす稀有な存在で、デビュー以来、常に演歌界の第一線を走り続けている。今回の記念コンサートでは、師と仰ぐ二葉百合子をゲストに迎え、念願の共演を果たした。まさに藤あや子にとって節目の年にふさわしい華々しいコンサートとなった。

藤あや子

観客からの大きな拍手に迎えられ、大ヒット曲「こころ酒」で幕をあけ、「むらさき雨情」「曼珠沙華」「あや子のお国自慢だよ~がんばろな東北!!~」など、ファンにはお馴染みのヒット曲を披露。中盤では、尊敬する二葉百合子を特別ゲストとして迎え、夢の競演を果たした。藤は二葉百合子に弟子入りし浪曲を習い、2005年に発表した自身初の歌謡浪曲「港子守歌-蝶々夫人に寄せて-」を師の見守る中で堂々と披露。続いて二葉百合子が、自身の代表作「岸壁の母」を熱唱。その変わらぬ圧巻の歌声と語りに客席からの大きな拍手に沸いた。この師弟競演コーナーは最後に「関東一本〆」をふたりで歌い、観客と恒例の手締めで締めくくられた。二葉百合子との念願の共演となった藤は「二葉先生は日本の宝です。私は30周年でまだまだ足元にも及びませんが、これからも先生を目標にして頑張って歌っていきたいと思います」と話した。

コンサート後半では、30周年を記念して南こうせつから贈られた記念曲「たそがれ綺麗」や、6月21に発売される男性ボーカルのカバーアルバム「GENTLEMAN~私の中の男たち~」の中から井上陽水の「ジェラシー」を妖艶なドレス姿で披露。衣裳を着物に変えた藤は、客席で見守る南こうせつをステージに呼びこみ、同じく30周年記念曲「からたちの小径」の制作秘話を披露した。この曲は、生前、親交の深かった故・島倉千代子の最後のシングル曲。南こうせつとのデュエットでしっとりと歌唱した藤は「一生の想い出になりました」と感激した様子だった。続いて自身が作詞・作曲をした代表曲「紅い糸」を真っ赤に染められた幻想的なステージで披露すると会場は大きな拍手と熱気につつまれた。そして、コンサートのラストは静寂の中から二胡の音色、さらに、三味線と尺八の演奏が響き会場全体が息を飲む中、藤がドラマティクに登場、紙吹雪の中「雪 深深」を熱唱し観客からの大声援の中、記念のコンサートを締めくくった。

◆藤あや子 オフィシャルブログ