井上陽水、コンサートツアー”Good Luck!”東京公演開催

井上陽水

2017年4月8日(土)よりスタートした、井上陽水のコンサートツアー<井上陽水 コンサート2017 “Good Luck!”>が5月11日(木)、12日(金)東京・昭和女子大学 人見記念講堂にて、両日とも大入りの中、東京公演を開催した。

冒頭は「この頃、妙だ」から始まり「青空、ひとりきり」まで4曲続けて演奏を続け、会場は張り詰めた緊張感に包まれるが、「こんばんは、井上陽水です」と喋っただけで空気は一気に緩む。ただの挨拶で笑ってしまう緊張と緩和の振り幅、これを楽しむために井上陽水のコンサートに足を運ぶファンも多い。「今日は日頃の悩みや苦しみを忘れてお楽しみください」と言いながら「といっても、私の曲は不吉な曲が多いんですけど・・」と会場を笑いの渦に巻き込むトークには安定感すら感じられる。

11日、12日それぞれセットリストも異なり、両日ともに前半のクライマックスはボサノヴァ風のアレンジにより妖艶な装いとなった「ワインレッドの心」から、NHKブラタモリのテーマソングとしてもお馴染みの「女神」「瞬き」は、今や井上陽水の長いキャリアの中でも代表曲と言えるほどの人気曲となっている。

井上陽水

ライブ後半は長田進、今堀恒雄を従えた弾き語りのコーナーから始まる。11日の公演では「実は、この曲は最近まであまり好きではなかった」と語り「心もよう」を歌うが、イントロが始まると拍手が起こり観客にとっては「是非、聴きたかった」楽曲のようだ。作詞をしている陽水自身が、我ながら1番共感できる曲であり一番大好きな曲と語る「Just Fit」を歌うと、ハイテンションなボーカル、3人のギターが生み出す熱量に見ている方も思わず手に汗を握ってしまう。陽水も大好きな曲が歌えて満足そうだった。その後も「リバーサイド ホテル」「氷の世界」などヒット曲を惜しみなく披露し、アンコールでは「アジアの純真」「夢の中へ」の2曲で観客は総立ちに。

最後の1曲はそれぞれ異なる楽曲で、コンサートの余韻が全く違う2公演となった。11日のラスト「夏の終りのハーモニー」はシンプルで繊細な歌詞、メロディーが陽水の艶やかな声に載せて会場いっぱいに広がると、この夜をロマンチックに染めていく。12日のラスト「傘がない」では、重厚感あふれるお馴染みのイントロが始まると見る者は鳥肌を立てて固唾を飲み今日一番の緊張感が会場を支配し陽水の鬼気迫る歌声に応えるようにミュージシャンも迫真の演奏でそれぞれの音をぶつけ合う。ただただ圧倒され言葉を失うほどに胸に突き刺さる。

井上陽水

「夏の終りのハーモニー」同様、「傘がない」もラブソングだ。あまりにも有名な「都会では自殺する若者が・・」という言い出しで社会的なメッセージソングと思われがちだが、ただひたすらに“君に会いに行きたい”と叫び続けている楽曲だ。一言でラブソングと言っても様々なアプローチがあるということを、“井上陽水”というシンガーソングライターが生み出したこの2曲の歌詞で教えてくれている。1つのコンサートの中でいくつもの表情を見せてくれることが魅力でもある井上陽水の世界。その門戸を一度叩いていただきたい。

[ 5月11日セットリスト ]
1. この頃、妙だ
2. Pi Po Pa
3. フィクション
4. 青空、ひとりきり
5. Tokyo
6. 移動電話
7. 5月の別れ
8. 自然に飾られて
9. ワインレッドの心
10. 女神
11. 瞬き
12. ゼンマイじかけのカブト虫
13. 心もよう
14. Just Fit
15. リバーサイド ホテル
16. つめたい部屋の世界地図
17. 限りない欲望
18. 氷の世界
19. 勝者としてのペガサス

アンコール
20. アジアの純真
21. 夢の中へ
22. 夏の終りのハーモニー

[ 5月12日セットリスト ]
1. この頃、妙だ
2. Pi Po Pa
3. フィクション
4. 青空、ひとりきり
5. Make-up shadow
6. 移動電話
7. 5月の別れ
8. 映画に行こう
9. ワインレッドの心
10. 女神
11. 瞬き
12. かんかん照り
13. Just Fit
14. リバーサイド ホテル
15. 限りない欲望
16. 嘘つきダイヤモンド
17. 氷の世界
18. 長い坂の絵のフレーム

アンコール
19. アジアの純真
20. 夢の中へ
21. 傘がない

井上陽水 コンサート2017 “Good Luck!”

4月8日(土) いわき芸術文化交流館
4月9日(日) やまぎんホール(山形県県民会館)
4月13日(木) ウェスタ川越
4月23日(日) 久留米シティプラザ
4月24日(月) 長崎ブリックホール
4月28日(金) 栃木県総合文化センター
5月6日(土) 千葉県文化会館
5月11日(木) 人見記念講堂
5月12日(金) 人見記念講堂
5月18日(木) フェスティバルホール
5月19日(金) フェスティバルホール
5月21日(日) レクザムホール(香川県県民ホール)
5月27日(土) ニトリ文化ホール
5月29日(月) 北見市民会館
5月30日(火) 釧路市民文化会館
6月4日(日) 富士市文化会館ロゼシアター
6月9日(金) 岩手県民会館
6月11日(日) 青森市文化会館
6月12日(月) 大館市民文化会館
6月16日(金) 新潟県民会館
6月24日(土) 三原市芸術文化センター ポポロ
6月25日(日) 周南市文化会館

シングル『夢の中へ』

井上陽水

発売中
【初回限定盤】UPCH-7245 / 1,998円+税 ボーナストラック(6曲)つき
【通常盤】UPCH-5902 / 1,188円+税

[ 収録曲 ]
1. 夢の中へ(日本テレビ系ドラマ「視覚探偵 日暮旅人」オープニングテーマ)
2. 女神(NHK「ブラタモリ」オープニングテーマ)
3. 瞬き(NHK「ブラタモリ」エンディングテーマ)

[ ボーナストラック ] ※初回限定盤のみ
4. ミスコンテスト(神奈川県・よこすか芸術劇場2016年9月27日)
5. Make-up Shadow (長野県・ホクト文化ホール2016年11月13日)
6. バレリーナ(神奈川県・よこすか芸術劇場2016年9月27日)
7. 氷の世界(東京都・Bunkamuraオーチャードホール2016年10月12日)
8. 海へ来なさい(大阪府・フェスティバルホール2016年11月10日)
9. 夏の終りのハーモニー(東京都・Bunkamuraオーチャードホール2016年10月11日)

◆井上陽水オフィシャルサイト