コラム【伊藤美裕の歌謡遊泳】世界を変えた音楽家たち〜クイズ番組を通して思うこと〜

コラム【伊藤美裕の歌謡遊泳】

オーディションを勝ち抜いて、先日初めてQさま‼︎というクイズ番組に出演した。

クイズのテーマは“世界を変えた10人の音楽家”。ヴァイオリニストの葉加瀬太郎さん監修のクイズで、主にクラシックの音楽家がランキング形式で登場し、関連する内容が出題される、というもの。私はヴァイオリンを幼い頃やっていたけれど、どの曲が誰の作曲なのかとか、遠ーくなっていた記憶を懸命にたぐりよせての参加だったので、どうなるかしらと思っていたけれど、オープニングから音楽に合わせて踊りながらみんなで登場したり、葉加瀬さんが目の前で生演奏をしてその曲名を言い当てる、というなんとも豪華なクイズもあったりして、とても楽しかった。

コラム【伊藤美裕の歌謡遊泳】世界を変えた音楽家たち〜クイズ番組を通して思うこと〜

さて、そのランキングではブラームスやヴェートーヴェン、モーツァルトなど、有名な作曲家がずらりと並ぶ。ただ、今回は単純に素晴らしいだけでなく「世界を変えた」という音楽家がテーマ。例えば、ワーグナーの音楽は後にヒトラーの心を捉え、利用されることで、世界を「結果的に」動かしたというものもあれば、クラシック以外で唯一ランキングに入っていたビートルズは、全世界で同時期に同じ音楽をおそらく世界で初めて流行らせ、その影響力で平和活動などをして、世の中を変えた(偶然にも収録の前日、ポール・マッカートニーのコンサートに行ったばかりでテンションが上がりました)。ちなみにビートルズはクラシックの要素も楽曲に取り入れていて、彼らの音楽に多大な影響を受け、現代の大衆音楽がある。もちろん、歌謡曲も。ジャズやブルース、音楽ジャンルによって成り立ちは全く違うけれど、元をたどるとクラシック、という部分もあると思うと、歌謡曲とクラシックだってまったくの別物ではないんだな、ということが私の中では大きな発見だった。

こうみると、音楽そのものではなく、音楽を手段にして、何ができるか。
…なんてことをいうと誤解を生みそうだけれど、音楽は素晴らしいものであり、人に訴えかけるものが強い表現形態だからこそ、人を惹きつける可能性はいくらでも拡がるなと思えてくる。こういう時なにかにつけ思い出すのが、60・70年代のフォーク。カヴァーライヴでも特集したこのテーマ、とてもそのあり方に惹きつけられたのも、若者が意志を持って音楽を用いて世の中を変えようとしたところにあると思う。エネルギーのあるカウンターカルチャー。この辺りにもヒントは多くありそう。時代を反映したものが歌謡曲ということを常々口にしているけれど、今回、音楽と社会の関わり方を改めて考える良いきっかけになった。

それにしたって、クイズってただ単に蓄えた知識を披露する場ではなく、事柄を自分の中で整理することをきっかけに新しいものの見方が得られる素敵なものだなと思う。個人的には「音楽の父」と呼ばれるバッハが1700年代の人だということに驚きを隠せなかった。古典といっても、思ったより新しい音楽なのですね。素直に「へぇ〜」と思えることを知るのって好き。また機会があれば、ぜひ挑戦したいものです。

伊藤美裕のミユダマ 〜MIYUDAMA〜

伊藤美裕のミユダマ 〜MIYUDAMA〜

日時:8月27日(日) 開場 12:00 / 開演 12:30
会場:赤坂グラフィティ
料金:前売り 4,600円 / 当日 5,100円 +1drink
予約:スネークミュージック(03-3260-8535)

伊藤美裕

生年月日:1987年4月4日生まれ
血液型:A型
出身地:大阪府池田市
特技・趣味:バイオリン、古着屋散策
座右の銘:in dreams begin the responsibilities(責任というものは夢見ることから始まる)

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