因幡晃、芸能生活40周年アコースティックライブで熱唱

因幡晃

芸能生活40周年を迎えた因幡晃が、渋谷区文化総合センター大和田伝承ホールにてコンサートを開催した。

今回の公演は、音楽性を高めるためにチャレンジした、新しい「第一歩」となるスペシャルなコンサート。息子の因幡篤もパーカッションで演奏を支えるメンバーとして参加し親子共演も実現。第2部では日本でただひとりのベルギー配列ボタンのアコーディオン奏者である桑山哲也氏がゲストミュージシャンとして初参加した。

因幡晃

開演を待ちわびるファンの前に、因幡が颯爽とステージへ登場。因幡は「ヤマハのある懐かしい渋谷で41年目の折り返しです。どんな新しい自分を見つけられるか楽しみです。」と語り、新曲の発表が告げられると、会場からは大きな拍手が起こった。1曲目は、1988年発売のアルバム『新しい朝』の収録曲で、ここ数年ライブ等では披露されていないミディアムテンポの楽曲「フォークソングとジーンズを」を歌い、これまでとは違う選曲に会場からは「オー!」という感嘆の声があがり、さらなる期待感が高まる。4曲目、冒頭でもふれた新曲「あなたの風でありたい」を初披露。この曲は2011年に起こった東日本大震災への想いが込められた曲で、因幡は「あのときの感じた想いを6年間の経過の中で歌い続けることも使命だと感じています。」と話し気持ちを込めて歌いあげた。

因幡晃

会場のオーディエンスは興奮冷めやらぬ様子で2部の始まりに期待を持ってスタンバイ。第2部の1曲目は代表曲のひとつである「別涙」を因幡と桑山の二人で披露。どこか懐かしさがあるアコーディオンの音色に因幡の歌声が相まって、いつもとは違う特別感のある演奏となった。3曲目以降は、バンドメンバーも参加してさらに厚みのある演奏でコンサートは進む。6曲目は、桑山の楽曲「GRACE~恵み~」に共感し、ぜひ歌詞を付けたいと因幡が申し出て完成した楽曲だ。ピアノの音色から始まり、サビから間奏へ入ってからのアコーディオンの音色はとても爽快で気持ちいい。ライブ本編は「涙よ今祈りになれ」で終了。アンコールでは、40周年記念アルバム『ことづて』より同タイトル曲「ことづて」を因幡、桑山だけの世界感で歌い上げた。

東北出身の因幡にとって、あまりにも衝撃的な出来事であった東日本大震災は、因幡の楽曲制作活動に支障を与えた。約1年が過ぎようとした時、本人もやっと楽曲制作を再開できるような精神状態になり、最初に出来上がった曲が、「GRACE~恵み~」「ことづて」である。ツアーも含め被災地を回り、多くの場所で歌い続けてきたこの楽曲に今回いつもとは違う新しいエッセンスが加わり、被災地の人達と「いつかこの曲を残したいですね。」と約束したこの2曲に新たな可能性を込めた。アンコール2曲目は、因幡のデビュー曲であり、代表曲の「わかって下さい」、3曲目はファンが最後に聞きたい曲である「ラストソングはラブソング」で会場全体が大歓声と心温まる雰囲気の中、コンサートは無事終演を迎えた。今回のコンサートは 41年目を迎えた因幡晃のさらなる第一歩の足音に感じ、その圧巻の歌声を全国で歌い続ける姿がはっきりと見えたコンサートだった。

因幡晃

<因幡晃 アコースティックライブ2017 〜君よ月華の風になれ〜>

2017年6月16日(金)渋谷区文化総合センター大和田伝承ホール
セットリスト
・第一部
1. フォークソングとジーンズと
2. 夕映えを待ちながら
3. 背中にTENDERNESS
4. あなたの風でありたい
5. 瞳にやさしさを
6. 俺 ひとり
7. 遠くで見つめているよ
・第二部
8. 別涙
9. 告白
10. めざめたばかりのラブソング
11. 夜のタンゴ
12. 静かな大地
13. GRACE ~恵み~
14. 愛の流れの中に
15. 涙よ今祈りになれ
・アンコール
16. ことづて
17. わかって下さい
18. ラストソングはラブソング

◆因幡晃オフィシャルサイト