世界最高齢のラッパー・坂上弘が、<もーじき96歳記念ライブ>で熱唱

世界最高齢のラッパー・坂上弘が、<もーじき96歳記念ライブ>で熱唱

世界最高齢のラッパー・坂上弘が、<もーじき96歳記念ライブ>で熱唱

2017年6月24日、四谷三丁目・荒木町のおスナック『秋田ぶるうす』で、大正10年生まれのシンガーソングライター・ラッパーの坂上弘のライブ<もーじき96歳記念・坂上弘おスペシャルライブ>が開催された。

世界最高齢のラッパー・坂上弘が、<もーじき96歳記念ライブ>で熱唱

司会を務めるのは、この店のマスターでもあるガロ系漫画家の巨匠・東陽片岡。青林工藝舎の手塚能理子社長やセーラー服おじさんなどといった、只者ではない感のある濃い客で溢れる中、坂上は、盛大な拍手で迎えられた。まず、最初に歌ったのは、オリジナル曲「時をかけるシンガー」。クラブでかかっていても違和感のないカッコいい曲である。歌い終わると、一番前に座る男性が「この曲のバックコーラスは一青窈さんなんですよ。向こうからオファーがあったそうです」と話す。その男性は、なんと特殊漫画家の根本敬。坂上が68歳の頃から親交があり、根本が開催する『ガロ脱特殊歌謡祭』で坂上が優勝したこともあるのだとか。

世界最高齢のラッパー・坂上弘が、<もーじき96歳記念ライブ>で熱唱

世界最高齢のラッパー・坂上弘が、<もーじき96歳記念ライブ>で熱唱

2曲目は、「千の風になって」(秋川雅史)のカヴァー。伸びの良い歌声には、その人生の重みが滲み出ている。坂上は、「昭和11年に鼓笛隊に入ってラッパを吹いていて、満州の炭鉱で働いていた時、その会社にあったブラスバンド部に入ってトランペットを担当しました」と、音楽をはじめたきっかけを語る。著名な先生から歌の指導も受け、街の交響合唱団でも活動。戦後は、東京の音楽学校で講師も務め、「少年時代の日野皓正にも指導した」という。

世界最高齢のラッパー・坂上弘が、<もーじき96歳記念ライブ>で熱唱

3曲目は、「よせばいいのに」(敏いとうとハッピー&ブルー)のカヴァー。途中、カルト漫画界の巨匠の2人、東陽片岡と根本敬のトークタイムも盛り上がり、4曲目の「霧の摩周湖」(布施明)のカヴァーへと続く。5曲目は、オリジナル曲「交通地獄」。自身が交通事故に遭って腰の骨を折り、1年半入院した経験から生まれたリアリティのある曲である。「保険金が入り、キャバレーへ通い、レイナちゃんに三千万円貢いだんです」と語る、坂上の笑顔が可愛いらしい。

世界最高齢のラッパー・坂上弘が、<もーじき96歳記念ライブ>で熱唱

6曲目の「卒業」(尾崎豊)のカヴァーも、坂上の魂がほとばしり、尾崎とはまた違う“熱さ”を感じる。最後は「また逢う日まで」(尾崎紀世彦)を、迫力のある声で締めた。「むこう20年は大丈夫そう。限界までやってほしいです」という東陽の言葉に誰もがうなずく、『もーじき96歳記念』の夜となった。

世界最高齢のラッパー・坂上弘が、<もーじき96歳記念ライブ>で熱唱

東陽片岡 坂上弘 根本敬

(左から)東陽片岡 坂上弘 根本敬

取材・文◎仲村 瞳

<もーじき96歳記念・坂上弘おスペシャルライブ>

2017年6月24日 @四谷三丁目・荒木町のおスナック『秋田ぶるうす』
[ セットリスト ]
第1部
1. 時をかけるシンガー(オリジナル)
2. 千の風になって(秋川雅史)
3. よせばいいのに(敏いとうとハッピー&ブルー)
(東陽片岡と根本敬のトーク)
第2部
4. 霧の摩周湖(布施明)
5. 交通地獄(オリジナル)
6. 卒業(尾崎豊)
7. また逢う日まで(尾崎紀世彦)