2022年5月2日
作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。
【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#8 編曲家・瀬尾一三の言葉
『ニッポンの編曲家』(DU BOOKS/著・川瀬泰雄、吉田格、梶田昌史、田渕浩久)より
※「萩田くん」というのは、編曲家の萩田光雄のこと。同氏は、『シクラメンのかほり』(昭和50年/布施明)、『メランコリー』(昭和51年/梓みちよ)で、2年連続、日本レコード大賞編曲賞を受賞した天才編曲家。ここでの一流とは、メジャー路線の歌謡界で、裏一流はニューミュージック界の意味。瀬尾一三は、萩田光雄と「ふたりで密談したんです」とも語っている。編曲の世界にも棲み分けがあったことがわかる、興味深いエピソードである。
瀬尾一三(せおいちぞう)
昭和22年生まれ、兵庫県出身。昭和44年、関西フォーク・シーンでライブ活動をはじめ、レコード会社のサラリーマン、シンガーソングライター、セッションミュージシャンなどを経て、アレンジャー/プロデューサーとなる。昭和48年、吉田拓郎の『たくろうLIVE ‘73』(アルバム) のプロデュース(拓郎との共同)を皮切りに、バンバン、杏里、中島みゆき、長渕剛、チャゲ&飛鳥など、名だたるアーティストの作品を手掛けている、ニューミュージック界の重要人物である。