日本最高齢の流し、平塚新太郎が死去。享年75歳

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平塚新太郎

流しの平塚新太郎が、8月19日に死去した。

千葉県出身。戦争のため、5歳で親とはぐれ、子供の頃から様々な仕事をして混乱の時代を生き抜く。15歳で流しの世界へ入り、ギター1本とともに全国の盛り場を流して歩いた。レパートリーは3千曲以上。近年は四谷三丁目の荒木町を中心に活躍しており、今年で流し60周年。7月半ばまで活動を続けていた。

「社会に恩返しがしたい」との思いから、体の不自由な人でも使えるワンタッチ式防災頭巾を開発、販売していた。

平塚新太郎

飄々としつつも優しい口調で語られる想い出話は、戦後間もない時代の激動感や、当時を懸命に生きた人々の情の深さなどが感じられる、大変貴重なものであった。人生の深みが滲み出るギター演奏に歌声、その人柄で60年、多くの人に愛され続けた人物であった。弟子の女性流し、歌う漫画家ちえが、今後も荒木町で活動を続ける。