市川由紀乃、30周年記念日に配信イベント開催「人との出会いに本当に恵まれた歌手人生」

市川由紀乃


今年デビュー30周年を迎えた市川由紀乃が、デビュー記念日でもある8月21日(日)東京・渋谷にあるAmazon Music Studio Tokyoから生配信イベント『ソノサキノテマエノユキノ』を開催した。

市川は1993年、高校在学中に17歳で「おんなの祭り」でテイチクよりデビュー。以来、演歌歌手としての道を邁進、1998年にキングレコードに移籍し精力的に歌手活動を続けていたが、燃え尽き症候群に陥り一時活動を休止した。しかし、歌への情熱は断ち切ることができず再び演歌・歌謡界へ復帰。その後の活躍は周知の通りだが、今年メジャーデビューから30年という大きな節目を迎え、市川は8月24日に、アニバーサリーイヤーを飾る最新シングル『石狩ルーラン十六番地』、そして10月26日には歌手人生30年の軌跡を辿る全101曲にわたる音源とベスト29曲のMVが収録された『市川由紀乃コンプリート・ベストBOX』を発売する。

このデビュー30 周年スぺシャル配信イベントが行われたAmazon Music Studio Tokyoは、今年3月にニューヨークに次いで渋谷にオープンしたばかりのAmazon Musicが開設した多目的スタジオで、今回市川は演歌歌手としては初めて、生配信イベントを実施した。



市川由紀乃

オープニング映像、そして最新シングル「石狩ルーラン十六番地」のMVが初公開されイベントは幕を開けた。新曲のジャケ写と同じターコイズブルーの艶やかな着物姿でニッコリと微笑みながら登場した市川は、「皆様こんにちは! 市川由紀乃です。2022年8月21日、いかがお過ごしでしょうか。本日は、貴重なお時間をいただきご覧いただきまして本当にありがとうございます。MVの完成版は今日スタッフの皆さんと配信をご覧くださっている皆さんと一緒に観たかったので我慢していました。うれしい……! メッセージ性のあるこの歌の世界観を関わってくださった皆さんが作りあげてくださいました。宝物がまた増えました」とあいさつ。その後、配信スタッフとして入っていたMVの撮影監督を呼び込み、「撮影前日までずっと雨予報で外のシーンをどうしようと思っていたら、朝まで降っていたのに由紀乃さんが現場入りしたら雨がすっと止んで無事撮り終えることができました。が、その後由紀乃さんが帰られたら土砂降りの雨に……(笑)」など、MV撮影時のエピソードなどを紹介した。



市川由紀乃

「石狩ルーラン十六番地」は、北海道出身の夭折の画家・三岸好太郎とその妻・節子の物語をモチーフとした、若くして夫を失いながらもたくましく生き抜いた情熱の画家、妻・節子の生涯へのオマージュともいえる作品。「ルーラン」とはアイヌ語で崖という意味で、「石狩ルーラン十六番地」とは三岸好太郎が自身の年譜に出生地として記した架空の地名。市川は作品を提供され、実際に愛知県一宮にある三岸節子記念美術館にも足を運んだといい、「タイトルを初めて見た時、何を歌っているんだろう、主人公はどういう人なんだろうとこの物語が知りたい思いが深くなり、ディレクターから作詞家・吉田旺先生にこの曲ができるまでのお話を聞いていただき、改めてお二方の作品を拝見して偉大さを初めて知り、とてもいい経験をさせていただきました。この曲は吉田先生が、ご夫婦で画家の三岸好太郎さんと奥様の節子さんの人生をモチーフに、石狩の背景を舞台に描いてくださった作品です。節子さんの作品に吉田先生が感銘を受けられて今回この詩を作ってくださり、その詞に幸耕平先生が素敵なメロディーをつけてくださいました。札幌出身の好太郎さんと愛知県一宮出身の節子さんが出会って今年で100年という記念すべき年にこの作品を歌わせていただけることをすごく光栄に思っております」と、感慨深い面持ちで話した。



市川由紀乃

続いて、三岸夫妻が画家であったことにちなみ、市川が視聴者からリクエストのあったお題を30周年にかけて30秒で描く、という“お絵描きコーナー”へ。以前はブログなどで直筆イラストを披露したこともあるが、「美術の成績は悪かったですね(笑)」と絵が得意ではないという市川。「30秒? 大丈夫かなぁ」と言いながらも、お題に出された「らっきょちゃん」(市川が顔の輪郭がらっきょに似ているということから自分で描いたというキャラクター)や「クレヨンしんちゃん」「自画像」を時間制限内に完成させ、その力作に市川本人もスタジオ内のスタッフも爆笑。視聴者からのコメント欄もおおいに沸いた。



市川由紀乃

そして今年7月1日より、30周年を記念してInstagramを開設。着実にフォロワーも増えており人気を博しているが、ここで投稿した写真の紹介やインスタを通してファンから来た質問に答えた後、「今日はこのAmazon Music Studio Tokyoさんという素敵な場所で配信をやらせていただいているので、こちらで撮影したチェキをフォロワーの皆様に記念にプレゼントさせていただこうと思っています」と、サプライズ発表。すると、おもむろに、デビュー曲「おんなの祭り」の威勢のいいイントロが流れ、市川の前にまさにインスタ映えする豪華なケーキが運ばれ、まさかの逆サプライズが。「えー、すごい!」と目を丸くし驚きながらも「流れてきたデビュー曲は17歳の時ですよ。時の流れ……(笑)。配信が始まる時のオープニング映像でデビュー曲からのジャケ写が流れてきた時は泣きそうになりました。砂利道もあったしぬかるんだ道もあったし、何度も倒れかけたりもしましたけれども、こうして応援してくださっている皆様がいらっしゃったからこそ迎えられた30周年だと、人との出会いに本当に恵まれた歌手人生だなと思っています」。改めて30周年を迎えての思いやファンへの感謝をしみじみと語り、「おんなの祭り」をアカペラで披露した。



市川由紀乃


最後は、24日に発売となる最新シングル「石狩ルーラン十六番地」をお披露目。歌い終えた市川は、「皆様、今日は貴重なお時間をありがとうございました。デビュー記念日の8月21日に、こうして皆さんと繋がれたこと、そしてまたこの場所で配信というかたちで皆様に感謝の思いをお届けできたことをすごく幸せに思っております。9月7日はおとなりのLINE CUBE SHIBUYAでリサイタルをやらせていただきます。これからまだまだ学ぶべきこともたくさんありますし、吸収していきたいこと、またたくさんの夢があります。その夢の一つひとつを皆様と一緒に叶えていける、そんな人生を送れるようにもっともっと歌の道に精進して参りますので、皆様もお元気でいてください。これからも”ソノサキノユキノ“をどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました!」と、ファンへメッセージを送り、弾むような笑顔でイベントを締めくくった。

なお、この配信のアーカイブは8月23日18:00まで、市川の公式YouTubeチャンネル「由紀乃結晶」で視聴可能。また、この配信タイトルのきっかけにもなった毎年恒例のソロリサイタル<ソノサキノユキノ>が、9月7日(水)東京・LINE CUBE SHIBUYAで開催されるが、「途中活動休止している期間もありましたし、色々ありましたけれど皆さんのおかげで30年目を迎えさせていただいています。だから、どうぞその先の市川由紀乃も見守ってください、という思いで歌わせていただく皆さんへの感謝のリサイタルです。集大成ではなく、これからの歌手人生で表現していきたい音楽の世界やこれまで歌ってみたかった曲をお届けします」と、意気込みを話していた。



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