カルト歌謡カルタ【も】マギー・ミネンコ「燃えるブンブン」

カルト歌謡カルタ【も】マギー・ミネンコ「燃えるブンブン」

いつまでも人々の心の片隅に残り続ける珍曲や迷曲たち。売れることを考えて作られたとは思えない破天荒な作品に、その時代の心の豊かさと歌謡界の度量の大きさを感じる。いまこそ、その真髄を継承すべく、魔法のカルタで拡散!

「燃えるブンブン」

1974年発表
歌:マギー・ミネンコ
作詞:橋本淳
作曲・編曲:鈴木邦彦

ロシア系アメリカ人のハーフ・タレントであるマギー・ミネンコのデビュー・シングル曲。マギー・ミネンコは18歳の時に、バラエティー・テレビ番組『金曜10時!うわさのチャンネル!!』(企画:阿久悠 製作総指揮:井原高忠 1973年~1979年 日本テレビ系列局)にレギュラー出演。司会者の和田アキ子が、ガキ大将ゴッド姉ちゃんに扮した番組内コーナー『アコのゴッド姉ちゃん』に、タレントのせんだみつおや、覆面レスラーのザ・デストロイヤーらと和田の手下役の悪ガキとして登場。胸を突き出し「乳もめぇー!」と叫び、せんだがももうとすると和田がハリセンでどつくというパターンで笑いを取る。ハーフならではの端正な顔立ちに着物姿。その姿からは到底想像も出来ないその台詞は、強烈なインパクトを与えて、ブレイクする。

人気絶頂期に発売して、番組内でも歌った「燃えるブンブン」は、当時“ナナハン”の愛称でブームとなった排気量750ccのバイクに彼と跨り、彼を想う気持ちを歌った楽曲。「♪雨のサタデーナイト」、「♪ずぶ濡れ本牧 ヘッドライトの横須賀」と、バイクで走る光景が広がるフレーズに、「♪走るブンブン とばすブンブン」というアクセル音”ブンブン”が響く。この曲は1993年に、Tバックのコスチュームを着たセクシーアイドルグループのT-BACKSがカバー。同年7月に発売の2枚目にして最後のシングル曲「涙の河」(作詞:橋本淳 作曲:中村泰士 編曲:あかのたちお)も、1995年に久本雅美が初のソロシングル曲としてカバーしている。

マギー・ミネンコは、1975年に番組出演終了の後、アメリカ人の実業家と結婚して芸能界を引退。4児の母親として、イギリス、アメリカと移住し、幸せな生活を送っているという。

解説・イラスト:はらめがね